2011年4月19日火曜日

先日、2年前まで約5年半住んでた以前の家の庭でランチ会をした

参加者は歴代の住人

この家は代々、友人知人で受け継がれて来た

取り壊してアパートにすることになりみんなで集まった

自分の半生を振り返っても、ここで過ごした時間は非常に濃密なものだった

見慣れた柱のキズや天井のシミ、隅々まで目に焼き付けてお別れしてきた

築40数年、夏は暑く冬は極寒
害虫は侵入し放題
床板の隙間から竹が突き出たり...

ただ日当りなど立地だけは最高で
子供ができなければまだまだ住んでたと思う


あまり都会っ子ではないので東京に住むイメージが湧かない
通勤の手間を差し引いても鎌倉は離れられない


この一ヶ月で何人か地元の友達がこの愛すべき土地を離れた
放射能汚染を恐れてのことだ

原発や放射能に不勉強である以上、当然人の言う事に頼らざるを得ない
氾濫している情報の中で、どれを信じるかは自分で決めればいい

「発表されてる数値はウソ」と政府を信用できなければ好きな国に亡命すればいい
国内にいるのは無意味だろう

「子供が心配だから...」というなら、突然住環境が変わることでストレスを感じる子も少なくないのでしっかりケアしてほしい

見えない敵に怯えて暮らすほうがよっぽどカラダに悪い
移動することで安心できるなら是非そうするべきだ


ただ、向こうでは家、家族、友人、仕事、全てを失ってしまった人が大勢いる
その喪失感や不安感たるや想像を絶する
被災地の復興、すなわち元に戻すことが最優先課題な中で
何の被害もなかった自分が生活を変えるのは自分以外誰のためにもならない

人は人と結びつき、地域となり、国となる
生まれる国は選べないが、オレは日本人で良かったと思うしこれからもそうだ

秋葉原の事件のような理不尽な死に方をする人は後を絶たない
それに比べれば今回の犠牲者達はいつか大きな津波が来る事を知っていながら
同じ土地を愛した人々と最期を迎えたのだ
地域、そして国民の一員としての天命を全うしたと言えよう


もし本当に政府に騙されていて
息子が将来甲状腺ガンに冒されたとしても
「オレの育った町でお前を育てる方が重要だった」と謝るつもりだ




吉井さんのFLOWERS & POWERLIGHTツアーが始まった

計画停電が実施される中でのリハーサル
電気をふんだんに使う娯楽の仕事
自粛ムードの中、いつこのブログを書こうか迷っていた

中止になった北関東、東北にいつ行けるかは分からないが
その時は他のどこよりも気持ちを込めて演奏するつもりだ
チケットを押さえながらも亡くなってしまった人の分まで


仕事があることに感謝し
今まで通り自分の持ち場を守る

これも復興支援の一つだと信じて。